以前読んだ、「エンジェルフライト国際霊柩送還士」という本が新聞で取り上げられていた。
著者の佐々涼子さんが闘病中だということなので、再読した。
異境の地で亡くなった人は一体どうなるのか―。国境を越えて遺体を故国へ送り届ける仕事が存在する。どんな姿でもいいから一目だけでも最後に会いたいと願う遺族に寄り添い、一刻も早く綺麗な遺体を送り届けたいと奔走する“国際霊柩送還士”。彼らを追い、愛する人を亡くすことの悲しみや、死のあり方を真正面から見つめる異色の感動作。
第10回開高健ノンフィクション賞受賞作。【「BOOK」データベースの商品解説】
「エンジェルフライト」
— みんみん (@minmin_roo9) 2023年2月1日
国際霊柩送還士という仕事があるのかと以前読んだ本の再読
著者の佐々涼子さんは悪性の脳腫瘍で闘病中だという
「五年生存率が16%もあるとも考えられる〈略〉実際どうなるのか見てやろうと興味も尽きない。私に与えられた宿題だからかも」と
どう生きるかということか。 pic.twitter.com/fAXEKyBDfi
死と向き合ってきた佐々さんがご自身の死と向き合われている。
家族や親しい人たちとの死別は、悲しいものだがそれぞれの人にその人の人生があり、またその周りの人たちにもその人生がこれからも続くという、当たり前のことを思い起こさせてくれる。
そして、アマゾンプライムで原作としてドラマができ、配信されている。
米倉涼子演じる社長は、「ドクターX」を彷彿とさせるはっきりした肝っ玉の据わった役どころ。
松本穂香演じる新人社員は、この仕事も初めてで戸惑いも感じながら、死と向き合うことを考えていく。観客目線の存在でもある。
社員の城田優は、ご遺体をきれいな姿に戻すエキスパート。
遠藤憲一の存在感が、極道の世界の方ですか?っていう振る舞いなのだが会社や社長を支える要となっている。
重いテーマの作品だが、演者同士の掛け合いがテンポよく面白い。
死を受け入れるということ
私自身、親や親戚がなくなることを経験している。
なぜか、死に際に間に合う。
自宅または、斎条にお迎えして通夜、葬儀。
そして出棺、火葬場での点火。
叔父が若くして亡くなった時、奥様は泣き崩れていた。
もう、この世に体がなくなる瞬間のだから。
そんな、一連の流れに沿って故人とお別れしていく。
エンジェルフライトで扱われているテーマは、その苦しい段階をしっかり悲しんでいかないと、生きている人のためにならないということだ。
遺された人のために、異国の地からご遺体を運んでくる。
原作は、佐々涼子さんのノンフィクションなので、エンバーミング(ご遺体保存の方法)の詳細や国によってその方法が違うことなど詳しく書かれている。
佐々さんが、このドラマを観て楽しんでくれるといいなと思っている。