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人生を乗り切るための本との出会い

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f:id:minminroom9:20220106185115p:plain 長年、公立小学校の教員をしていました。

共働きで子育てしながらの生活を送っていましたが、忙しい、心が折れそうになる、気分転換の時間もないと、かなり疲れていました。

みなさんは、気分転換やモチベーションアップしたい時はどうされてますか?

私にとっては『読書』です。

忙しいのに、そんな本を読む時間があるの?

と、思われるでしょう。

時間はまとまってありませんが、料理で煮込んでいるとき、お風呂上り、待ち時間など文庫本ならポケットに入れておけばいつでも読めます。

それから、だいたい、1000円未満で数日持つ、コスパ最高のエンターテインメントだと思います。

今までの人生の中で、どんな時に救ってくれたのか、ご紹介します。

 

思春期のもやもや時代

悩んでる少女時代と本 何か、イライラしたり、もやもやしたりしてました。

それが何に対することなのか、何に不満があるのかわからないのもイラつく時代でした。

そして、満たされないこの思い。

そんな時に出会ったのが、太宰治氏三島由紀夫氏です。

ここから、読書生活が始まりました。

当時、音楽もよく聴いていましたし、音楽雑誌もよく読んでいました。

そこで語られていたのが、外国のミュージシャンにファンが多いという、三島由紀夫氏でした。

音楽つながりで読み始めたのが、私の読書の入り口です。

お二人ともとても繊細な感性を持ち、身を削りながら書いた文章は美しかったです。

何より、このモヤモヤした気持ちが何なのかを見事に表現してあったのです。

「なぜ、私の気持ちが分かるの?」と感動しました。

言語化するということは、大事なことですね。

気持ちの整理ができました。

そして、作者を追って読むようになりました。

 

親との対立

 

対立といっても、端から見たら何の対立もないんです。

波瀾万丈の青春時代を過ごしたわけではなく、自分自身の中だけで嵐が起きていただけです。

その時、父はとても厳格でしたので息が詰まる思いでした。

高校入学後、演劇部に入ったのですが「帰りが遅い」と辞めさせられました。

演劇部に入ったのも、唐十郎の赤テント(劇団)にあこがれていたからです。

自分がしたいと思うことをことごとく反対し、否定する父に対して最早あきらめの気持ちでした。

その時に出会ったのが、向田邦子さんでした。

彼女のお父様も不器用だけど、娘思いの方でした。

作品を読むうちに、父に対する気持ちも少しは変わってきました。

だから、進路で迷っているときに父の思いを素直に聞けたのではないかと思います。

そうでなかったら、教員になっていなかったと思います。

 

小学校教員になって

教室 最初のころは右も左もわからず、ただただ一生懸命に教育書を読み漁りました。

その中でも、国語教育の中で西郷竹彦氏に出会いました。

実際、勉強会でお会いしたことがありましたが、

一貫して「『人間とは、なんぞや』と作品は問いかけている。」とおっしゃていました。

この言葉は、一生のテーマでもあります。

働くということ 強くなりたい

山の上に佇む女性 自分で仕事を持ち、働くということは、どんな仕事でもいいことばかりではありません。

喜びありますし、やりがいのある仕事だと思っています。

ただ、思い通りにならなかったり、自分の意思表示をしなければいけない場面に遭遇することもあります。

そんな時、強くなりたいと思いました。

そこで出会ったのが、桐野夏生氏の『OUT』でした。

深夜の弁当工場で働くパートの主婦・弥生が、夫によるDVに耐えかねて殺害したことをきっかけに、平凡な主婦たち4人が自由を求めて日常を離脱・脱社会化し「OUT」してゆく物語である。

   引用:wikipedia

ワシントンポスト紙では、「日本女性のステレオタイプを打ち砕きながら、日本社会の暗部を描いた」と論評されています。

平凡とされる女性にも、内に秘めたる葛藤や熱情があることを痛く納得したことでした。

それから、桐野夏生氏の本は、出版されるたびに読みました。

他にも、林真理子氏のエッセイなどは、前向きにさせてくれました。

ドラマ化されて有名な、誉田哲也氏の『ストロベリーナイト』でも女性刑事が主人公で強く生き抜いています。

その前の『ジウ』シリーズからのファンです。

女性として生きていくことの内面

朝のストレッチ 角田光代氏の『八日目の蝉』では、母性を考えさせられました。たとえ、自分が産んだ子供ではなくても、一緒に過ごすうちにかけがえのない存在になるということです。

吉田修一氏の『悪人』は、ある地方都市で暮らす一人の女性の日常は、ただただ淡々とその日その日を過ごすのです。

どこにでもある国道、その周りの大型ショッピング店舗、国道を離れたら田畑の広がる町です。

これから将来の夢を描く隙間のないほどの退屈さ、自分ではない他の誰かにはなりえない閉塞感。

地方に住む誰もが少なからず抱く感情ではないでしょうか。

近未来、今そこに迫る事

山の中の分かれ道 科学技術が発達し、どこに向かおうとしているのか考えるとき、

帚木蓬生氏の『受難』では、ips細胞と3Dプリンターという最新の医療と技術が語られています。

彼の作品は、以前から読んでいましたが、現役の医師としての知見の深さと人間に対する愛情を感じさせてくれます。

早瀬 耕氏の『彼女の知らない空』では、恐ろしく何度も涙が出ました。

これは、現在この世の中の一部、私たちの知らない世界で、すでに進んでいるのではないか。とさえも思わせられる作品です。

 

では、どう生きていけばいいのか。 それは、一人一人が自分のこととして考え世の中の動向をしっかり見据えていくことだと思います。

 

みなさんそれぞれに人生があり、違う道をお進みかと思います。

その中で、迷ったり絶望したり立ち止まったりしたとき、本を開いてみてはいかがでしょうか。

自分とは違うけれど、同じように感じながら生きている人物を見つけた時、生きにくいこの世の中を生きていく助けになってくれるはずです。

そんな本との出会いがあることを願っています。

 

心を支えてくれた作家たち

思春期・・・大宰治 三島由紀夫

教員時代・・・西郷竹彦 桐野夏生 林真理子 誉田哲也

女性として考えるとき・・・角田光代 吉田修一

これからの世界を考えるとき・・・帚木蓬生 早瀬耕