ほぼ大人三人の我が家の休日
「映画でも観よう」ということになって、最大公約数的に選んで「アキラとあきら」を観に行くことになりました。
池井戸潤原作
日曜日の夜、「次の日から学校、仕事かぁ~」の時間に池井戸潤原作作品は、少しの勇気と元気を与えてくれる。
「ノーサイドゲーム」で弱小ラグビー部を復活させ
「半沢直樹」では、バンカーの世界を知り、強くあこぎな上司に土下座をさせ
「下町ロケット」では、下町の町工場の意地とスキルでロケットを飛ばし
「陸王」では、これまた古くからそのノウハウを受け継いだ社長が、でっかいシューズメーカーに立ち向かい、選手の身になって作ったランニングシューズで勝ちをとる。
映画「空飛ぶタイヤ」では、小さな工場のプライドを捨てず事故原因に挑む
などなど
元気になりたいときには池井戸潤!
青臭いことが言いたいときには池井戸潤!
悔しさをバネにしたいときには池井戸潤!
と、いう具合に池井戸潤作品にわれら家族は、スカッとしたり
「明日もがんばろっか」と熱量をもらってきたのです。
ということで、ほぼ大人の三人で観に行きました。
「アキラとあきら」
akira-to-akira-movie.toho.co.jp
公式サイトであらすじが書かれているが
父親の経営する町工場が倒産し、幼いころより過酷な運命に翻弄された山崎瑛〈アキラ〉(竹内涼真)と大企業の御曹司に生まれながらそこを継ぐことをしなかった階堂彬〈あきら〉(横浜流星)が成長して、同じメガバンクに同期入行している。
二人とも東大卒で優秀なバンカーだ。
東大卒ということだけでなく、その知識、頭の回転の速さ、ひらめきを存分に発揮する。
新入社員の前で、粉飾決済をした会社と銀行役に分かれて巧妙にだましてお金を借りようとする会社の経理を銀行役が見抜くという、見事なプレゼンをやってのける。
バンカー物!
これは、面白そうと最初から胸を高鳴らせて観ていた。
竹内涼真と横浜流星のW主演
竹内涼真と言えば、最近のドラマ「六本木クラス」でも好演をしている。
「このまっすぐな役は、この人にピッタリだね」とは、我が夫。
確かに、何があっても人を恨んだり、ねたんだりせず、自分の信念に基づいてまっすぐに進む姿。
子犬系男子と我が家では言ってるけど、まっすぐなんだそのお目目。
横浜流星は、顔面がとにかくきれい。
髪型をすっきりツーブロックで清潔感を出し、冷徹なバンカーのようでいやらしくない。
彼も自分のバンカーへの熱い思いを秘めつつ、暑苦しくない演技をしている。
「宿命」
本作品では、「宿命」という言葉が何度か使われる。
二人の出会い
出会うべくして出会ったような。
そして、それぞれの生い立ち
貧しいながら懸命に努力しメガバンクの行員になった「アキラ」
御曹司であるが故の骨肉の争いに巻き込まれる「あきら」
その二人が、難局を乗り越えようとする。
二人は、実は行員になる前に出会っていたという伏線もある。
「育ちがいい」ということ
何度か御曹司の「あきら」が貧しい生い立ちの「アキラ」にいう言葉なんだけど。
本来、逆じゃないかと思われる。
与えられた環境、財力、何不自由もない「あきら」
外から見ると、育ちがいいのは「あきら」の方ではないかと。
でも、その本人が「アキラ」に「本当に育ちがいいんだな」と言う。
育ちとは何か
聡明な「あきら」のこの言葉に深く考えさせられた。
何もお金や環境ではなく、どう育つか、親としてどう育てるかなど課題満載だった。
たまたま、平日の夏休みも終わりのこの時期に観た映画。
128分があっという間でした。
原作では上下巻。
映画では、無駄がなく主題に向かってスッキリ流れていきましたが、じっくり読んでみるともっと深い味わいがあるかも。