ジム・ジャームッシュ監督の「ナイト・オン・ザ・プラネット」からロックバンドのクリープハイプの尾崎世界観が「Night on the Planet」をつくり。そこからに松居大悟監督が初の脚本を書き、メガホンを取った映画「ちょっと思い出しただけ」
松居大悟監督は以前から、クリープハイプのMVを手掛けていたので、映画の最後に流れる「Night on the Planet」のMVも、もちろん松井監督がつくっています。
あらすじ
怪我でダンサーの道をあきらめた照生(池松壮亮)とタクシードライバーの葉(伊藤沙莉)のラブストーリーが現在から過去に遡って描かれてます。
そこに登場する、ベンチで妻を待つ男性
二人が通うバーのマスター、照生の友達
それぞれの人生が垣間見えたり
二人が過ごした部屋
カセットデッキから流れる曲に合わせてストレッチをして猫に餌をやる
育てている観葉植物に霧吹きをする何気ない朝のルーティン
きちんと整頓されていた部屋が少しずつ、変化していき
風景やまわりの登場人物から時と気持ちの流れが変わっていきます。
少しずつ、少しずつ...
二人で過ごした6年間の物語です。
ラブストーリーって
これは、ラブストーリーなんだけど癖がなく二人の日常が淡々と描かれ、誰にでもありそうでないかもしれない、そんな映画になってます。
それは、池松壮亮さんの穏やかなたたずまいと語り口。
彼は、ドラマ「MOZU」で初めて見ましたが、その時の鬼気迫る印象とは全く違ってどこにでもいそうな青年を演じているせいかもしれません。
また、伊藤沙莉さんの気が強そうでいて実は繊細で出しゃばらない役も現実的です。
そして、ところどころにクリープハイプの曲や尾崎世界観さんの登場は、現実の世界から遠くに観客をもっていかないところがよいです。
二人が、最初の方でタクシーの中で喧嘩をするシーンが一番心に焼き付くのですが、最初だから劇中では現在です。
人って、関係性が密になればなるほどお互いにすれ違うことってありませんか。
気持ちを相手に伝えたい、伝わってほしいけど、細かいことが伝わらない。
相手の言っていることも自分の中の言葉で理解できない。
理解しようとする気持ちはあるのにわからないのは、自分が期待したい答えではないからかもしれません。
恋愛絶好調の時は、その高揚感と多幸感で見えないところも、月日を重ねるごとに見えてくる。
そこをどう二人で乗り越えるかって重要なところかもしれませんね。
切ない想いを思い出させる映画です。
劇場で観たかったのですが、観られませんでした。
今、アマゾンプライムビデオで観られます。
30日間無料です。
ジム・ジャームッシュの「ナイト・オン・ザ・プラネット」
本作品で二人が観ていたのがジム・ジャームッシュの「ナイト・オン・ザプラネット」です。
この作品は、ロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキのタクシーで起きる物語です。
ウィノラ・ライダーが本作同様、映画の大物エージェントにスカウトされます。
彼女のタバコを吸う仕草、「そんな華々しいこと望んでないのよ」というところがたまらなく好きでした。
この作品は、監督が好きでレンタルビデオで観たのですが(なかなか映画館で観てない!)ほかのキャストのロベルト・ベニーニ、ジーナ・ローランズ、ベアトリス・ダルなどの俳優陣も素敵でした。
今観ようとするとアマゾンプライムビデオではレンタルですが、U-NEXTでは定額見放題31日間無料なのでお得かなと思います。
本ページの情報は2022年7月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにて
ご確認ください。
体調不良の時は
まったりと映画の世界に浸るのもよいかもですね。